「屋上庭園 / 動因挿話」
小林君の稽古もいよいよ二本立てに入ってきたようだ。練習時間もさることながら、違った作品を続けて練習するのだから大変なようだ。同じ日に違った二本の作品の練習をするわけだが、同じ日に続けて二本の違った作品を公演するわけだから、同じ日に二本の作品の練習をしていくのも当然といえば当然なのだ。それも、続けての公演である。午前と午後とか、間を長く空けるとかということではない、もちろん休憩時間は入るとは思うが、別の時代、別の人間関係、別の世界を同じ連続の時間の中で演じ分ける。大変なことだとは思う。
ただ、人は普段の生活の中でも、それぞれの場所でその時その時の顔で生きてはいる。家庭での顔、職場での顔、飲み屋での顔、その場所のその時の顔で演じている。そうした場所による変化が多い人間と、私のようにどこでもほとんど変わらない人間と人よっても違いはあるだろうが。