私は今年、日本のオペラも応援していく。(そして小林隆も…)
さっそく1月13日、14日と二日にわたって(財)日本オペラ振興会・藤原歌劇団のオペラ公演「ラ・トラヴィアータ 〜椿姫〜」を観賞させて頂いた。
「ラ・トラヴィアータ」では分からない人が多いだろうが、内容は分からなくても「椿姫」というタイトルは聞いたことがあるという人は多いと思う。
そう、「椿姫」と言っても、お姫様の出てくる話ではない。お恥ずかしいことに私自身、王子様に助けられるお姫様の話とは思っていなかったが、まったく本当の話の内容はつい先日までとは言わないが、このオペラのお話を伺うまで知らなかったのである。
「ラ・トラヴィアータ 〜椿姫〜@」
主人公は娼婦だった。それも、椿の花をよく胸のところに挿していた、フランスの高級娼婦のはなしだ。若い、いいとこのボンボンがその娼婦に純粋に恋をして、「私が人を愛するなんて…」と思っていた娼婦も純粋な若者の愛に打たれ、一緒に暮らし始める。
愛だけでは食べていくことはできない。娼婦であった主人公のヴィオレッタは自分の家財道具を売って二人の生活費に当てていた。世間知らずの若者アルフレードはそれを知って、何とかしようとパリへと出かけていく。
つづく
明日(25日)は「蝶々夫人」の通し稽古の取材に行く。
2006. 1.31 今年はオペラ(と小林隆) - 2 「ラ・トラヴィアータ 〜椿姫〜A」
今日は、2月3・4・5日に公演の
オペラ「蝶々夫人」(財)日本オペラ振興会(藤原歌劇団)の舞台稽古の取材に行く。
公演を三日後に控え、キャスト、スタッフの全員の気持ちが高揚していることだろう。
今回の公演はメインのキャストはダブルキャストで、3日と5日は外国人の二人を招いたキャスティングで、4日の中日がオール日本人キャストだ。私たちは中日のオール日本人キャストの組を中心に取材を行っている。
「ラ・トラヴィアータ 〜椿姫〜A」 −続き−
アルフレードの留守中、パリから戻ったヴィオレッタのところにアルフレードの父親のジェルモンが訪ねてくる。
ジェルモンはヴィオレッタに、この暮らしがアルフレードに貢がせての暮らしと勘違いしてヴィオレッタを侮辱するが、そうでないことを知るとヴィオレッタに謝る。それでも妹の結婚の為にとアルフレードとの別れ話を持ちかけ、別れる事はできないと悲しむヴィオレッタに渋々承知させてしまう。
ヴィオレッタは、愛するアルフレードの家族のためにと悲しみながらも別れる事を承諾する。
つづく
2006. 1.31 今年はオペラ(と小林隆) - 3 「蝶々夫人 〜マダム バタフライ〜」
午後からオペラ「蝶々夫人〜マダム バタフライ〜」の舞台稽古の取材に行ってきた。
東京文化会館の大ホールで、今回のB組キャストのメンバーの舞台稽古が予定通り15時から始められた。
私は「蝶々夫人」のプロダクション(舞台セット等)を見るのは初めてなので、その豪華さと華やかさに目を見張った。ポスターで見ていたので、雰囲気は想像していたのだが、やはり実物はその想像をはるかに上回っていた。
蝶々さんが生活する住宅と庭のセットで、1幕では表の庭側から、2幕では住宅の部屋側からのセットに変わる仕組みになっている。どちらにも華やかな桜の花が彩りを添えている。1幕では庭を広く使うので家を小さく見せ、2幕では住宅の中を見せているので、大きいつくりになっていたが、まったく違う大きさやつくりではあったが、まったく違和感は感じなかった。前の幕で使った部分をうまく使って別のものにしている工夫はとても素晴らしと思った。
2006. 2. 1 今年はオペラ(と小林隆) - 4 「蝶々夫人 〜マダム バタフライ〜」
明日はオペラ「蝶々夫人〜マダム バタフライ〜」のゲネプロを東京文化会館へ取材に行く。
「ゲネプロ」今回初めて耳にした言葉の一つだ。
“generalprobe”というドイツ語のようで、オペラや劇の本番と同様に行う総稽古のことようだ。
本番を前に、歌手の人たちの健康管理、何しろ声が出なくなってしまったら全てが水の泡となってしまうので、風邪をひかないようにと、非常に気を使っているようだ。
それでも風邪をひいてしまうことが良くあるようで、マスクをして声を出さないようにしている姿を見ると、ここまで日にちが無くなると、本番までに間に合うのか大変心配になる。
明後日の初日(3日)に歌う人たちは今日がゲネプロだったので、明日のグループの人たちは2日目が本番となり、それぞれが中一日空けての本番となる。やはり連日歌うといことは、かなりの負担になるので、一日空けるということが必要なのだろう。それくらい一つの公演を歌いきるということが、大変ハードなことだということだろう。
明日はB組のゲネプロ、楽しみだ。
2006. 2. 2 今年はオペラ(と小林隆) - 5 「蝶々夫人 〜マダム バタフライ〜」
20時30分頃に東京文化会館からもどった。
昨日書いたように、今日は明日から開演する(財)日本オペラ振興会・藤原歌劇団のオペラ「蝶々夫人」の15時からのゲネプロの取材にいって来た。
華やかな舞台セットに華やかな衣装、、まさに本番さながらの稽古だった。写真を撮りながらの鑑賞であったが、後半のクライマックスでは思わず涙があふれた。
2006. 2. 5 今年はオペラ(と小林隆) - 6 「蝶々夫人 〜マダム バタフライ〜」
3日、4日、(財)日本オペラ振興会・藤原歌劇団オペラ「蝶々夫人」の本公演を鑑賞させていただいた。
初日の3日は外国人キャストを迎えたA組、4日はオール日本人キャストのB組、初日も良かったが、オール日本人キャストの中日の昨日は本当に良かった。
佐藤ひさらさんの蝶々さん、通し稽古、オケ合わせ、舞台稽古、ゲネプロと見てきたが、本番の素晴らしさは更に感激ものだった。
もちろん村上さんも、三浦さんも、向野さんもとてもよかった。
ピンカートン役の村上さんは、蝶々さんとの結婚を一時だけのものと考える原作のいい加減なキャラクターを演じながらも、その時その時の蝶々さんへの愛しい想いを大切に歌い上げている。
シャープレス役の三浦さんは、大変優しさのにじむシャープレスを好演していた。
つづく
2006. 2. 8 今年はオペラ(と小林隆) - 7 「蝶々夫人 〜マダム バタフライ〜」
今回もそうだが、オペラ公演ではダブルキャストが一般的なようだ。この「蝶々夫人」も初日と最終日の二日間の公演の外人2人がメインのA組と、中日1日のオール日本人キャストのB組といった組み合わせだが、藤原ではそうした組み合わせが多いようだ。
私は今回、B組の通し稽古、オケ合せ、舞台稽古、ゲネプロと最終段階の稽古過程を観させて頂いた。その時その時の稽古はそれぞれとても興味深いもので、稽古といってもとても楽しませていただいた。本番とは違ったところで大変楽しく、キャストとスタッフのやり取りや稽古の様子を見せていただくことで、一つのオペラがどう作られていくかということが少し分かったように思う。
そして本番当日、その舞台は稽古のものとはまったく違った世界が存在した。稽古で演じられていたものは、やはり稽古の範疇で、本番の舞台に漂うその場の雰囲気は、まさに蝶々夫人の世界がそこに存在していた。