この時期いたる所でキンモクセイの花が咲き誇り、キンモクセイの良い香りが一面に漂っていっる。オレンジ色の小さい花が細い枝いっぱいにビッシリ咲いているのに、こんなに目立たない花も珍しいだろう。私にはどうも「きれいな花が咲いた」といったような、いわゆる花としてのイメージに結びつかない。離れて木を見ると、木いっぱいの葉の間に見える淡いオレンジ色の花は、花としての印象は香りに比べてあまりにも薄いように思うのは私だけだろうか。
金木犀は、中国原産の常緑小高木だが、今ではすっかり日本の秋の風物詩になっている。しかし、花と香りの無いその普段のたたずまいは目立たず、突然10月になると香り立ち、気が付くと金木犀の花が咲いているといった感じだ。新しい細い枝に突然花がビッシリと咲く。これだけの花が咲くのにその前に気づいたことがない。観察力が無いのだろうが、不思議な気もする。