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□ 男衾駅周辺地区まちづくり協議会  水と緑のまちづくり−1         2009.1.30

男衾駅周辺地区まちづくり協議会
平成21年1月27日(火)に第3期目の第1回役員会が開催された。

男衾駅周辺地区まちづくり協議会とは、私が住む寄居町の東武東上線男衾駅周辺地区のまちづくりを住民と行政が協力して考えていこうということで、平成16年11月に発足した。
昨年11月の総会において約半数の役員が交代となり、新体制で今後2年間協議していくことになる始めということで、私が「水と緑のまちづくり」というテーマでお話をさせて頂く時間を頂いた。


1-男衾駅周辺_700-489.jpg

上の写真は、男衾駅周辺を上空から見た写真(Google)だが、田舎なので、御覧のように駅の周りと言ってもミニ開発されたいくつかの住宅の塊はあるが、まだまだ空地(畑)が多く残っている。今なら、まだ可能なので、寄居町が本腰を入れてここ男衾から水と緑のまちづくりに臨んでもらうと寄居町の一つの顔となる良い街になると思うのだが。

水と緑のまちづくり
どこでも聞くような、当たり前の表現だと思うが、どこの町でも「水と緑のまちづくり」を実現することが快適で安全なまちづくりになる。何でもそうだと思うが、その当たり前の事が中々できない。日本で美しい水の流れと豊かな緑のある街を、どれだけ思い浮かべられることができるだろう。
まづ、水は何処にでもあるわけではない。川や池の無い所に水景を作るにはかなりの費用がかかる。それでも、流れや池、滝、噴水など、水は人の心を癒してくれる。それなのに、身近にある貴重なはずの水の流れはそこに生かされているだろうか。身近な所にある多くの水の流れは排水が多く、せっかくの水の流れなのに汚い悪いイメージになっていることが多い。これから私たちは、そうした貴重な水の流れをきれいな水の流れに変えていかなければいけないと思う。各家庭は水源であり、そこから流れ出る水をきれいなものとして、大地に流すことが一番良いのである。汚れた水を下水道に流すのではなく、汚したところで再びきれいな水に戻して、大地に返すことだ。
どこの町でも、街角にはきれいな小川が流れ、子供たちが遊び、せせらぎの音に、小鳥が水浴びをしている景色が当たり前のようにしたいものだ。

明神川 400-300.jpgそしてここ男衾には、明神川や吉野川がある。昔は子供たちが水遊びをしていたという。現在は駅の南のところまではコンクリートブロックの三面護岸になってしまっているが、幸運なことに東地区水田地域の部分はまだ護岸工事がされないままになっている。素晴らしいことだ。この流れ、明神川をまちづくりに生かすべきだし、生かすことができれば、魅力あるせせらぎのある街にすることができる。ただ、今のままでは大雨の時に一部大水になってしまうということで、その改善が急がれている。そうした問題は解決しながら、将来のためになるような整備が必要だ。明神川を絶対に排水路にしてはいけない。



緑に関しては、田舎でこれだけの畑はあっても、森は少ない。時代の流れとともに、屋敷林も消えてしまった。既にこの写真に写っている緑の塊の部分もいくつか消えてしまった。周囲の山の斜面はまだ林が残っているので、周囲は緑に囲まれているように見える。ところが、空から見た写真を見ると、狭い日本にこれだけのゴルフ場があるのかと驚くほど、ゴルフ場のコースが連なっている。
多くの日本の街並みの中には、大きな緑地は少ない。更に、緑の面としてのつながりは皆無に等しいだろう。わずかに森がつながっているように見える部分は、傾斜地や崖の連続した地形の部分だけになってしまった。
これまでの様に、家ができていくままに任せたり、いや区画整理においても、これまでのやり方で街ができるに任せていたのでは、街の中に豊かな林や緑地のつながりはできない。
この辺で、水と緑のネットワークを創って行くまちづくりのシステムやルールを作るべきである。寄居町の様に、水路があり、畑や水田地域を宅地にしていくのであれば、小川を再生し、森を創造していくまちづくりをしていけば、水と緑の魅力ある街となる。
男衾地域にはその資質がある。その地域の持つ財産を生かし、更に自然の豊かなまちづくりを進めていきたい。



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