もう昨晩になってしまったが、九州(北部)の町並み取材の旅から帰ってきた。町並みの話はこれから少しずつ紹介させて頂くとして、さすがに九州は焼物の本場、メジャーな産地からマイナーな産地まで、窯元の多さにはあらためて驚いた。その中でも最も大きな焼き物の産地の一つである有田には、今も立派な町並みが残っているので、その町並みも見てきた。
もちろん町並みは見たのだが、幸いにも今右衛門窯では建物の中も見せて頂きながら14代の作品も拝見することができた。せっかくここまで来たのだから、やはり焼き物ももっと見たかったのではあるが、旅行に来たわけではないので、限られた時間ではそこまでの余裕はないのが残念だった。
有田焼は、酒井田柿右衛門、今泉今右衛門をはじめ、鮮やかな赤色の華やかな色絵作品から、磁器の白地に藍色の文様が美しい染付作品が一般的な私の印象だ。もちろん井上萬二や中村清六等の白磁の作品等もあり、私の好みはどちらかというとそちらであるが。
写真を撮りながら街を歩いていると、一軒のショーウインドの中の作品に目を奪われた。
青白磁の壺に、独特の模様の香炉の美しさに思わず足を止め観いってしまった。
町並みの写真は外れまで撮り終え戻る所だったので、店には誰の姿も見えなかったが、勇気を出して中に入り声をかけた。
作品やその並べ方から一人の作家さんのギャラリーの様だとは思ったが、作者の名前もよく確認しないまま思わず店の中に入っていた。作品を見させて頂いていると、しばらくして奥さんが出てきてくれた。
そこは庄村健さんのギャラリーを兼ねたお店だった。