□ 川越市 (埼玉県) <1>
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蔵の町小江戸川越のまちづくりは、1971(昭和46)年に、川越で一番古い「大沢家住宅」が国の重要文化財の指定を受け、蔵造りの価値が評価される一方、売買される話が持ち上がるなどあり、蔵造りを保存しよう、残していこうという運動がさきがけとなった。
1970年後半になると、市街地周辺に高層マンション建設の問題が起こり、1980年代には町並み保存や商店街活性化へと住民主体のまちづくりの動きが出てくることで、大きな転機となった。1983(昭和58)年に「川越蔵の会」(現NPO法人)が設立された。それまではなかなか住民運動的なものにはならなかったものが、商店主や市役所の若手職員に外部の人間も加わって、自分達で町づくりをしようと立ち上がった。そうした「川越蔵の会」の出現は、蔵造りの町川越の新しい幕開けといえた。
「蔵を残して活用するのではなく、商店街が活性化しないと蔵が残せない、まず商店を活性化させる必要がある」と。
1987(昭和62)年に「町並み委員会」を発足させ、翌年には「町づくり規範」を策定、川越一番街商店街は具体的な動きを開始した。
都市計画道路である中央通り線の一番街商店街部分の計画変更を含めた歩行者ネットワークの整備と、1989(平成元)年には「川越市都市景観条例」が制定され、その後、一番街商店街のそばにある菓子屋横丁通り線や大正浪漫夢通りなどが整備され、周辺に魅力あるスポットが整備されることにつながっていった。
<つづく>
子供たちにも人気の菓子屋横丁 どこかノスタルジックな大正浪漫通り