シンポジウム当日は日本地域資源学会長 望月照彦 氏の挨拶の後、
日本地域資源学会副会長でもある 石森秀三 氏(北海道大学観光学高等研究センター長・教授)の基調講演があった。
石森氏の講演では、我国の近年の状況から日本の観光立国としての流れと地域資源の重要性等を、短い時間の中で歯切れのよい口調で分かりやすく解説頂いた。
石森氏のレジメにその内容が、時系列に箇条書きで非常に分かりやすくまとめてあるので、興味のある方はご覧いただきたい。地域資源の話で、ここまで、時代の状況から国の政策としての観光への取り組みや、人々の観光へ意識の変化や、それぞれの地域資源の再発見と創出、そして活用へと一緒にまとめられたものは初めてだ。
また、石森氏の講演の中で、私がこれまでほとんど考えてもみなかったことに驚いた。
これまで、我国では観光についてはあまり重要には考えられてこなかった。それが、我国において初めて国家的課題として観光対策が取り上げられることになり、2003年1月に観光立国懇談会が発足した。7月には観光立国宣言がなされ、観光立国担当大臣(国土交通大臣)のポストまでが創設された。そして2006年12月には観光立国推進基本法制定となり、2008年には観光庁が新設された。
そうした、我国において初めて国家的課題として観光を重視しようとした時の総理大臣、誰であろう、郵政民営化の小泉総理大臣だという。これには、考えてもみなかったことだったのでちょっと驚いた。