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ガウディ サグラダ・ファミリア-14 誕生の門側ブリッジ

〜 ヨーロッパを訪ねて スペイン・バルセロナ 〜

ブリッジより 470-352.jpgブリッジ 264-352.jpg

















 サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 ( 2003.10.20 )

 「誕生の門」の中央最上部は、白い鳩が群れ飛ぶ緑の樹木になっている。その樹木の部分を後ろから支えているのが、この写真の部分である。この独特の凹凸に黒いタイルが生き物の臓器のようで、何とも迫力のある造形だ。また、こちら側の全体が石の自然な色でできている中で、樹木の緑と鳩の白さが特に印象的だ。



ガウディ サグラダ・ファミリア-13 尖塔最上部

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尖塔最上部 368-490.jpg
 サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 ( 2003.10.20 )

 ガウディのデザインの特徴は、有機的な曲線と曲面による造形だと思うが、この頂部のデザインはそれとも少し違うように思う。全体の自然の生物をモチーフにした造形に対して、こうしたタイルを使って表現しているところはどこと無くロボット的な印象を受ける部分もある。


ガウディ サグラダ・ファミリア-12 尖塔内部見上げ

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尖塔部 265-353.jpg尖塔内部見上げ 470-353.jpg


















 サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 ( 2003.10.20 )

 尖塔は本来鐘楼となる部分で、将来はそれぞれに鐘が取り付けられ美しい音色を奏でることだろう。このガウディのサグラダ・ファミリアから流れる鐘の音色はどんなものだろうか。今では意外と早い完成の予定とも言われているので、もしかすると、私も生きているうちにその音色を聴くことができるかも知れない。


ガウディ サグラダ・ファミリア-11 工事現場を見下ろす

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工事上部より-1 368-276.jpg工事上部より-r 368-276.jpg















工事上部より-c 368-276.jpg
 サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 ( 2003.10.20 )
  工事中の現場を尖塔の上の方から見下ろしたところ。
 柱の上部となる、枝分かれした部分の組まれている鉄筋
 の様子が分かる。
  ガウディは、こうした部分の工法をどのように考えて
 いたのだろうか。現在行われている工事は、現代の工法
 で行われたいるのだろうが、そうした現代の工法による
 ことで、ガウディの表現しようと思っていた部分の一部
 でも、省略されてしまうようなことはないだろうか。
  しばらく前までは、完成まで後150年か、200年
 かかるか分からないと言われていた工事が、ここに来て
 後20年足らずか、50年はかからないうちに完成する
 と言われている。かつては、資金難で工事がはかどらない様な時期もあったようだが、今では世界中から多くの観光客も訪れ、まったく資金難というようなことは無くなったようである。だからといって、そんなに急いで完成させる必要があるのだろうか。確かに、誰もが早く完成を見たいとは思うだろうが、必要な時間は当然かかるわけで、完成を早めるために、早めることが最優先されているということは無いのだろうか。
 どちらにしても、かつての多くの大聖堂が、300年400年の歳月をかけて建設されてきたことを思えば、まだガウディのサグラダ・ファミリアは100年である。完成まで後150年か200年かかるという方が、ロマンを感じる。それが急にあと20年ぐらいで完成すると言われると、嬉しいというよりも、何故か急に軽く思えてきた。それも、私自身にはどうも新しい部分のデザインが納得できないから、余計にそう思えるのかも知れない。



ガウディ サグラダ・ファミリア-10 「受難の門」尖塔廻りの工事風景

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受難の門尖塔h.jpg受難の門尖塔uph.jpg


























サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 「受難の門」尖塔廻りの工事風景を東側より望む。

 こうして見ると、現在進行中の部分も十分複雑なデザインではあるのだが。




ガウディ サグラダ・ファミリア- 9 新しいステンドグラスと古いステンドグラス窓枠

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工事中内部・ステンドグラス 368-490.jpgステンドグラス窓 368-490.jpg

























 工事中内部ステンドグラス ( 2003.10.20 )       古いステンドグラス窓枠

サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 もし私がこの写真の組み合わせだけを見ても、サグラダ・ファミリアとは解らないだろう。右の古いステンドグラスの窓枠は、古い大聖堂によくあるステンドグラスの窓と同様であるし、左の工事中の現場の新しいステンドグラスは、正に現在の非常にモダンなデザインのステンドグラスのように思う。古い方の窓枠にはまだガラスは嵌められていないままである。ここの部分のデザインには特にガウディの特徴はなく、ほかの大聖堂に有るステンドグラスのデザインに近いように思う。それよりも、新しい方のステンドグラスは、ガラスの部分のデザインも抽象的で現代的な絵柄だが、周囲の壁のデザインには更に現代のものを感じる。実は、それがどうもしっくりこない。ガウディの逝なくなった今、そこにガウディのデザインを求めるのが無理なことなのだろうか。少なくも、前の写真の内部も同様、当初のガウディの頃ような所までは行かないまでも、有機的な細かい装飾を施したデザインでの建設を続けてほしかったと、私は思う。



ガウディ サグラダ・ファミリア- 8 工事中内部見上げ

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建設中の内部見上げ 740-555.jpg
サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 現在工事中部分の内部見上げ ( 2003.10.20 )

 私がサグラダ・ファミリアの内部を目にしたのはこの時が初めてな訳だが、外部ももちろん、この時初めてこの地を訪れたわけであるから、ガウディのサグラダ・ファミリアを実際に見たこと自体が初めてなのである。ただ、外観の写真や一部のディテールについては建築を仕事とする者であるから、一般の方よりも多くの写真等を見てきている。それでも、多くの本に載っている写真は古い部分の外観や階段の写真等がほとんどで、現在の建設中の内部や現場の写真を目にすることは少ない。
 実際に完成してみないと、この内部空間がどのようになるのか、どのように感じることができるのかは分からないが、この写真で見るような内部のデザインは想像していなかった。構造的なデザイン、樹の幹の様に上部に行くにしたがって細く枝分かれして行くといった考え方は、いかにもガウディの考えに沿っているように思えるが、装飾的な部分はやはりガウディのもの、ガウディの感性と同じくするものではないように思えてならない。私は、そこにガウディの心というか、魂のようなものが感じられない寂しさを想う。



ガウディ サグラダ・ファミリア- 7 尖塔頂部見上げ

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誕生の門尖塔頂部.jpg受難の門尖塔頂部.jpg


























「誕生の門」尖塔頂部見上げ             「受難の門」尖塔頂部見上げ

 縦のスリットに何枚も横に差し込まれているプレートの先も、当初の「誕生の門」ものは外側の部分を円くしているが、「受難の門」のものは中央を尖らせている。スリットの一番下の部分も、「受難の門」の方では差し込んで有るプレートと同じもので水切り板のように納めているが、「誕生の門」の方ではプレートを使った納めにはなっていなかったようだ。



ガウディ サグラダ・ファミリア- 6 「受難の門」北側より見上げる

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サグラダ・ファミリア(工事見上げ西)h.jpg
サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 西の「受難の門」北側より見上げる。( 2003.10.20 )

 やはり東側の「誕生の門」に比べると、こちらの「受難の門」の方が新しいというだけでなく、デザイン自体も装飾が少なく、直線的で硬い感じがする。なぜガウディが生きていた頃のものと同様に作らないのだろうか。少しでも早く完成させようと、デザインも単純なものにしているのだろうか。工事金額を抑えたいのだろうか。現在は当時のような加工技術がないのだろうか。当初の、建物全体に施された有機的な複雑とも思えるデザイン表現が、現在進行中の部分からはだいぶ省かれて見える。現在の関係責任者の方たちが、今のデザインが良いということで進めているのだろうが、そこにはガウディのデザインを忠実に再現して行こうという考えは無いのだろうか。当初の有機的な装飾表現を省いたシンプルなデザインにしただけでも、工事金額の面でも抑えることができるだろうし、何よりも工期を短くすることになるとは思う。


ガウディ サグラダ・ファミリア- 5 「誕生の門」北側より見上げる

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サグラダ・ファミリア(工事見上げ東)3.jpg
サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 東の「誕生の門」北側より見上げる。( 2003.10.20 )

 2003年10月の盛んに工事が進められている様子の写真。ガウディ本人は、31歳の時にサグラダ・ファミリアの主任建築家に抜擢され、1本の尖塔のみを目にしただけで1926年73歳でこの世を去ったという。その後も、時代を超えて多くの人々によってこうして建設は進められている。百年も前から建設されているこのサグラダ・ファミリア教会が、これから何年後に完成するのか。百年後なのか二百年後なのかといった話がいろいろなところに書かれているが、私がスペインに行った時に、そんなにかからないで完成するだろうという話が聞こえてきたのが、とても驚きだった。後50年ぐらいとか、「竣工はガウディ没後100年にあたる2026年が予定されている。」といった話も有る。後20年足らずか。


ガウディ サグラダ・ファミリア- 4 「受難の門」彫刻群

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受難の門(彫刻群).jpg
サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 「受難の門」彫刻群 ( 2003.10.20 )



ガウディ サグラダ・ファミリア- 3 「受難の門」尖塔

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サグラダ・ファミリア(受難の門尖塔).jpg
サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 「受難の門」尖塔 ( 2003.10.20 )

 写真は西側に有る受難の門の4本の尖塔。西側が東側より後だが、時代の流れのせいか、すでにガウディの設計図にはなかったためか、ディテール等のデザインテイストがガウディが生きている頃のものとは変わっている。ガウディが関わっていた頃の東側の方が私は好感が持てる。実際にサグラダ・ファミリアの建物を見るまでは建設に時間がかかっているのは知っていても、ここまでデザインも変わってきているとまでは思っていなかった、というのが私が初めて見た時の感想だ。ガウディが亡くなった時には、全体の図面も未完成で模型も壊れたものしかなかったという。ガウディはほとんど言葉でも多くのことは残していなかったという。つまり、ガウディの思いを受け継いで後世の人たちが作っているのが今のサグラダ・ファミリアということだ。思いは受け継いでいてもデザインはその時代の人たちよって行われているということだろうか。それと、ガウディのデザイン自体が西側や新しい部分はどんな感じになっていたのだろうか。もともと図面や多くの言葉としては残していないということなので、細かい所は当然決まっていないのだろうから、実際の細かいデザインはその時代の責任者によるところか。その辺のところをスペインではどう評価されているのだろうか。日本で一般的には、全くそんな事は話題になっていない事では有るが。
やはり、スペインでもこの「受難の門」は彫刻等かなり物議をかもしたようだ。


ガウディ サグラダ・ファミリア- 2 「誕生の門」中央彫刻

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誕生の門(中央彫刻).jpg
サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 「誕生の門」中央彫刻 ( 2003.10.20 )




ガウディ サグラダ・ファミリア- 1 「誕生の門」尖塔

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サグラダ・ファミリア(誕生の門尖塔).jpg
サグラダ・ファミリア贖罪聖堂 「誕生の門」尖塔 ( 2003.10.20 )

 サグラダ・ファミリア、ガウディの最も代表的な作品だ。この建物の名前は良く分からなくても、ガウディとこの建物のイメージを結ぶ事のできる人は建築関係でなくともかなり多いと思う。スペインの建物、名所と言えば、ガウディというほどに今では有名になったようだ。現在のスペイン・バルセロナの観光名所といえば、昨今世界遺産にも追加指定されたこれらのガウディの建築群があげられる程に、多くの観光客が連日世界中から訪れている。
 写真は東側に有る誕生の門の4本の尖塔。計画では18本の尖塔が建つ予定で、現在は8本がほぼ完成しているようだ。設計したガウディ本人が目にしたのは最初の1本のみだったという。この中の1本だったのだろう。
 これまでの教会建築とはまったく違うデザイン、タイルを使った装飾や写実的で有機的な装飾彫刻はやはり素晴らしかった。


ガウディ gaudi グエル公園 - 4 高台から正面入口方向

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グエル公園 出入口方向.jpg

グエル公園 高台から正面入口方向を望む。右が市場の屋根もかねる空中広場、広場の下は屋根付き市場として計画され、太い柱が並び、天井には美しいモザイクタイルの模様が随所に埋め込まれている。分譲住宅地として計画された当時は、市街からも遠くまったく売れなかったということだが、今では周囲まで住宅で埋め尽くされている。グエル氏とガウディの計画は失敗に終わったということだが、今となってみるとかえってそれが良かったのかもしれないが、計画通りとは行かないまでも半数の30軒ぐらいの住宅ができていても、それはまた見るべきものがあったかも知れない。

グエル公園 トカゲ噴水.jpgグエル公園 正面出入口付近.jpg















正面入口階段の途中にあるトカゲの噴水           市場へと続く階段、上に見える屋根の上が空中広場


ガウディ gaudi グエル公園 - 3 回廊

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ガウディ・グエル公園-1(回廊).jpg
グエル公園 回廊(この上部も歩行者道路となっている。) 




ガウディ gaudi グエル公園 - 2 元住宅

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グエル公園 2軒だけの元住宅のもう一軒。現在資料館として使われている。

ガウディ・グエル公園-5(住宅-2).jpg






ガウディ gaudi グエル公園 - 1 分譲住宅地

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ガウディ・グエル公園-3(住宅-1-2).jpg

私は、数年前にヨーロッパを訪れる機会を得た。その折に撮影した写真のいつかを紹介させていただこうとかねがね思っていたので、その中からのいくつかのものをこれから紹介させて頂こうと思う。
まず最初の写真は、スペインの代表的の建築家であるガウディの作品、グエル公園に残る元住宅の1軒のディテールである。独特の造形と色づかいがたいへん興味深い。

ガウディ・グエル公園-2(住宅-1).jpg

グエル公園 ここはもともと公園ではなく、色々な施設やインフラを整えた分譲住宅地として計画されたものということだ。60軒の計画であったようだが、実際にはまったく売れなかったという。できた住宅は2軒、オーナーのグエル氏と設計者のガウディ本人のものだけだったという。その1軒がこの建物である。
有機的ともいえる曲面を組み合わせてデザインされた住宅は、ヨーロッパの童話の世界に出てくるような家のようだ。砕いた石を積重ねた外壁、モザイクタイルの屋根や金物等による装飾、その仕事ぶりにも感銘を受ける。


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